© CREEK & RIVER Co., Ltd.
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3Dモデリングを製作したい場合、どのようなツールを使用するかが重要となります。そこで、最近注目を集めているのがスカルプトです。3Dモデリングの新標準となりつつあるスカルプトは、キャラクターのモデリングやノーマルマップ制作において活用されています。
スカルプトは初心者でも使いやすい特徴もあり、今後さらに普及していくことでしょう。では、スカルプトとは具体的にどのようなツールなのでしょうか。この記事では、スカルプトについて徹底解説します。
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ここでは、スカルプトの基本情報について解説します。スカルプトは、初心者でも使いこなせる魅力的なツールです。特徴なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スカルプトは、まるで粘土をこねたように立体的にものを表現するモデリング方法です。スカルプトでは、球体や立方体のモデル表面に対し、ブラシを用いて凹凸をつけつつイメージに近づけるのが特徴です。スカルプトの手法を用いてモデリングする際に、Blenderなどのツールが用いられています。
モデリングの方法として有名なポリゴンは、エッジを面で張り合わせて形状を作り上げていきます。一方で、スカルプトは彫刻するという意味があり、3Dモデルを直感的に造形していくので自由度の高いデザインが特徴的です。これにより、より緻密な表現が可能となります。
スカルプトは、粘土でものを形成するように作り上げるため、ほかのモデリング手法と異なりアナログに近い手法です。手で作り上げるように直感的なモデリング方法となる点が大きな特徴となります。スカルプトでは、ペンタブを使用して製作するケースが多いです。
これは、ペンタブの筆圧によって凹凸を表現できるためです。3Dモデルを対象として、直感的に作業できるので合理的な手法としても注目されています。スカルプトは、特に人の顔や体、自然物といった不規則な形状のモデリングに使用されています。
スカルプトを用いる最大のメリットとして、ポリゴンでは難しい表現が簡単に直感的に行なえる点が挙げられます。ポリゴンモデルの場合、どうしても角ばったモデリングとなってしまいがちです。そこで、スカルプトによって滑らかな表現にすることでよりリアリティあるモデリングが可能です。
ペンタブの筆圧によって凹凸を表現可能であり、いかにもCGのような表現になりにくいメリットもあります。3D作品を作る際にはよりリアリティが求められるなかで、スカルプトは最適な手法と言えます。
スカルプトが活用されている分野として、主にゲーム開発やアニメーション、映画のジャンルがあります。ゲーム開発での活用事例として、人気ゲームであるFINAL FANTASY XVIが有名です。ナンバリングタイトルとして、ビジュアルクオリティに徹底的にこだわっている特徴があります。
また、質感はリアルであるものの、ファイナルファンタジーらしさのある造形も強く意識されている点が特徴です。アニメーションでは、攻殻機動隊 SAC_2045でスカルプトが用いられています。攻殻機動隊シリーズとして、初めてモーションキャプチャを活用したフル3DCGアニメーション作品です。
映画では、ルドルフとイッパイアッテナにおいて児童文学の名作をフルCGアニメ映画として製作されました。
スカルプトは、ツールを用いれば比較的簡単に使いこなせます。ここでは、スカルプトの基本ツールと使い方について、以下の4つのポイントに分けて紹介します。
各ポイントの詳細は、以下のとおりです。
スカルプトで使用する主なブラシツールとして、Blender（ブレンダー）が有名です。Blenderは、3Dコンピュータグラフィックスを制作したりアニメーションを作成したりできるツールを指します。Blenderにはスカルプトモードがあり、容易にスカルプトを行えるので便利です。
Blenderでは、マルチレゾリューションモディファイアーが使用できる点も評価できます。マルチレゾリューションモディファイアーとは、メッシュを細分化してスカルプトが可能となる機能です。モディファイアーとは、メッシュを変更せずオブジェクトの形状などを変更できる機能です。
基本的なツールを使いこなせば、より容易にスカルプトを行うことができます。また、リアリティのあるモデルを作成できるため、ツールの使い込みがクオリティの高い作品のカギとなります。
人間の顔をモデリングする場合、UV球と円柱の2つのプリミティブを用意してください。そして、UV球を90度傾けて全トランスフォームを適用しましょう。適用しておかないと、編集モードにおいてXミラー編集ができないので要注意です。
次に、編集モードに切り替えて「ツールバーのミラー：X」を有効にしたのちに頂点を編集します。各側面頂点を移動し変形させますが、この際にミラー編集であり片側だけ編集すれば両側に適用されます。
そして、顎を作成して顔は平面っぽく調整しましょう。これで、ベースメッシュ作成は完了です。最後に、スカルプトモードに切り替えてベースメッシュをリメッシュにより細分化してスカルプトします。
ベースメッシュが完成したら、細部の作り込みを行います。細部を作り込む際には、ディテールの追加が重要です。ディテールとは、たとえばソファであればレザーの質感を出すために皺を追加するなどの作業を指します。
ディテールを追加する際には、一部分をつまむように加工できるピンチや、突起を追加できるグラブなどがあります。より詳細なディテールを追加したい場合は、スカルプト以外のツールも併用しましょう。
テクスチャを活用することも細部を作り込むうえで重要です。テクスチャとは、ロードした画像の形状をブラシとして使える機能となります。画像以外でも、プロシージャルテクスチャをタイプから指定することも可能です。
スカルプトモデリングを作成する環境を整えても、すぐに使いこなせるようにはなりません。そこで、使い方の練習を重ねて徐々に慣れていく必要があります。最初に、モデリングする対象を選定してください。
この際に、なるべく作成しやすいデザインを選ぶことが重要です。たとえば、牛乳瓶をモデリングしたい場合、円柱で大まかな形状を作成します。そして、底面を細かく調整して上部を作成します。牛乳瓶の場合、上部にくびれがあるので細かい作り込みが必要です。
形状が決まったら、全体に厚みをつけて立体化してマテリアル設定して連弾リングしましょう。これで、牛乳瓶のモデリングが完成です。
数あるレンダリングソフトのなかでも、使い勝手の良さが魅力的なのがBlenderです。Blenderのメリットとして、スカルプトモードがあり容易にスカルプトを行える点が挙げられます。
ここでは、Blenderのスカルプトモードにおける代表的な機能などを紹介します。
Blenderでスカルプトモードに切り替えると、デフォルト画面と異なるインターフェースに変化します。基本的に使用するインターフェースとして、以下があります。
| 機能 | 詳細 |
| ブラシ | こねる・掴む・つまむなどの操作を行える |
| Radius/Strength | ブラシの大きさを設定可能 広い範囲を編集したい場合は値を大きく、細かい部分を編集する場合は小さくする |
| シンメトリー機能 | シンメトリーにブラシを使用できる設定が可能 X・Y・Zそれぞれの軸を選択すれば軸対称にブラシが適用される |
| Remesh機能 | ブラシで編集してメッシュが崩壊した場合に、メッシュを再構築する機能 |
| 選択ブラシと詳細設定 | 選択中のブラシアイコンを表示 |
配置を覚えたりショートカットキーを設定したりすれば、容易に機能を使用できるようになるので便利です。
Blenderのスカルプトモードを使いこなすためには、Dyntopoが活用できるかが重要です。Dyntopoを有効にすれば、ベースオブジェクトのメッシュ分割数とは関係なく、なぞった部分のみ細分化可能です。逆に、編集対象とならない部分は、細分化されません。
Dyntopoは、デフォルトではOFFになっているため、メッシュの頂点数を変更することなく形状を変更します。Dyntopoの使い方としては、リメッシュを使用しつつ大枠を制作し、Dyntopo機能で細かく仕上げるイメージで使用します。
Dyntopoは便利な反面、高度な操作テクニックが必要であり上級者向きの機能です。安易に使用すると、ほかの機能を使用する際に障害が発生する場合があるので注意しましょう。
Blenderのスカルプトモードでは、マルチレゾリューション機能が使用できる点も魅力的です。マルチレゾリューション機能を使用すれば、メッシュを細分化できるメリットがあります。特に、細かいディテールを表現したい場合で、メッシュの分割数は少なく抑えたい場合に有効的な機能です。
マルチレゾリューション機能では、主に以下4つの機能を有しています。
うまく適用できない場合、マルチレゾリューション以外のモディファイアーについてすべて適用するか削除してください。
スカルプトで著名なソフトとして、以下2つが挙げられます。
各ソフトの詳細について、解説します。
ZBrushは、1990年にアメリカのPixologic社が発売開始した、3DCGキャラクター制作が可能なモデリングソフトです。キャンパス上に存在する3Dデータをブラシツールなどを用いて造形して、テクスチャを作成できます。
粘土をこねるような操作感で立体物を作り、キャラクターを制作可能なスカルプトモデリング機能がある点が魅力的です。スカルプトモデリング機能があることで、初心者でも比較的操作しやすいメリットがあります。
モデルを作る作業時に極めて高い能力を発揮する関係上、プロのCGモデラーにも愛用されています。BPRと呼ばれるレンダリングエンジンにより、高品質な静止画像を生成できる点も魅力的です。
ZBrushは初心者でも簡単にスカルプトモデリングが可能なソフトです。一方で、豊富な機能からプロのCGクリエイターからも高く評価されているため、幅広いユーザーがいます。そうした特徴から、3Dモデリングをこれからはじめるかたにおすすめです
Blenderは、オランダで開発されたソフトです。本格的な3DCGアニメーションを制作できるソフトとして、必要となる機能が満載です。Blenderがあれば、さまざまな作業が可能となり世界中の多くのユーザーが使用しています。
フリーソフトでありながら、豊富な機能を搭載している点も特徴的です。また、自分なりにカスタマイズが容易であり、Blender作品の権利については作成者が取得できます。
Pythonを使ってスクリプトやアドオン、カスタムツールを作成できる点も魅力的です。UVマッピングやライティング機能を使用すれば、2Dテクスチャを3Dモデルに容易に適用できるなどの機能もあります。
Blenderは、無料ソフトのため世界中に多くのユーザーがいます。そのため、大量の3DCGを作る際などに多くのクリエイターの協力を得やすい点が強みです。こうした特徴もあるため、Blenderの使用スキルを磨いておくと幅広い仕事に携われる可能性があります。
スカルプトでモデリングする場合、上達すればよりクオリティが高い作品を制作できます。上達するためのポイントとして、以下が挙げられます。
各ポイントの詳細は、以下のとおりです
スカルプトでモデリングする場合、基礎的なスキルの習得を怠ってはなりません。基礎スキルが習得できて、より高度な機能を使えるようになるものです。特に、基本的なブラシの使い方をマスターすることが重要です。
ブラシにはDrawやSmooth、Grabなどがあり、それぞれの効果や強度の調整を練習しながら習得していきます。次に、使用するツールの基本的なインターフェースを理解しておく必要があります。
モデリングする際は、球体から顔を作るといった単純な形状からスタートしましょう。そして、アルファテクスチャを用いて複雑な表面ディテールを追加する練習を重ねてください。
基礎操作をマスターしたら、中級テクニックを磨いていきます。特に使いこなせるようになりたい機能がマスクです。スカルプトモードでは、オブジェクトの一部だけをマスクすることができます。
マスクとは、ブラシの影響が及ばない範囲のことです。マスクされた部分は、ブラシを当てても変化せず、すでに完成した部分を保護できます。マスクのかけ方は何種類もあり、ボックス選択で指定も可能です。
ただし、大半の場合はブラシで塗るイメージでマスクするケースが多いです。次に使用したいのが、リトポロジーと呼ばれる全体のメッシュを作り直す機能があります。
スカルプトのスキルを習得するためには、学習リソースを活用するのもおすすめです。特に、オンライン学習が可能なサービスを利用すると、気軽にレクチャーを受けつつスキルアップを果たせます。
スカルプトの学習リソースは、初心者向きのものから、プロも使用するテクニックが学べるものまで多種多様です。オンライン学習の場合、講師からの直接指導を受けられるものもあり、自宅などでも気軽に受講可能です。
ほかにも、YouTubeなどの動画サイトで提供されているスカルプトに関する動画を視聴する方法もあります。無料で視聴できる場合が大半のため、お得に学習できます。
作品作成時には、いきなり細かなディテールをつけるのではなく形状のラフからスタートしましょう。そして、適切なディテールのレベルを設定していきます。
動物などをモデリングしたい場合、解剖学などの資料や動物の写真を参考にしながら作成しましょう。ある程度完成した後にスムーズブラシを使用することが多いですが、スムーズし過ぎないことが重要です。
より効率良く性格にモデリングしたい場合、対称モデリングを有効活用します。そして、皮膚や布などのディテールをつける場合、サーフェスディテールを追加してください。
スカルプトによりモデリングしたい場合、プロの作業テクニックを習得できるかが重要です。ここでは、プロの作業テクニックを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
クオリティの高い作品を効率良く製作する場合、プリプロダクションが重要です。プリプロダクションとは、企画や準備段階の工程を指す言葉です。
プリプロダクションは、作品の根幹を決定づける重要な工程となり、通常は数ヶ月かけて綿密にプランニングします。企画の段階では、どのような作品を作るのかを文書としてまとめましょう。
次に、作品のテーマやコンセプトを決定します。そして、ストーリーやフォーマットを決めてスケジュールを立てて計画的に対応してください。
また、誰がどのようにプロジェクトに関与するのかも確認しましょう。
スカルプトによりモデリングする場合、多くの時間がかかります。そこで、タイムマネジメントをいかに行えるかが、プロジェクトが成功する鍵です。タイムマネジメントを行えば、以下のメリットがあります。
チームで効率良く仕事するためには、周囲の誰かがペースメーカーとなって行動してもらうことが重要です。ペースメーカーが自分の仕事をチェックする役割を担い、チーム内に安心感と自律感が生まれるメリットがあります。
作品作りにおいて、クオリティ管理を徹底する必要があります。リアルな3DCGの場合、リアリティによって品質の善し悪しを判断可能です。また、一般的なクオリティに関連する要因は、以下の項目が挙げられます。
上記の組み合わせによって、映像の品質を向上させられます。クオリティを担保しつつ必要最低限まで下げれば、工期とコストを抑えることが可能です。品質とコストを意識しつつ、いかに良い落としどころをみつけられるかが重要です。
一通りのモデリングが完了し、最終出力する際に注意すべきポイントがあります。特に、データの最適化を図ることが重要となります。画像サイズの管理を徹底して、サイズが大きすぎないように調整しましょう。
また、メディアの圧縮ツールを活用してサイズを落とす方法も有効的です。解像度とフレームレートの目安を決定し、ビットレートの調整にも注意しましょう。
ビットレートは可能な限り許容できる画質まで下げてください。出力形式の選択も重要となり、glTFやOBJ、STLの特徴を理解して最適な形式を選択しましょう。
スカルプトのための環境構築として、以下を意識してください。
各要素について、詳しくみていきましょう。
スカルプトを行う場合、使用するデバイスについて一定のスペックが必要です。特に、以下の推奨環境を満たす必要があります。
| パーツ | スペック |
| CPU | 第13・14世代のCore i7がおすすめ コア数の多いCore i9を選べさらに安心できる |
| メモリ | コスト面・性能値のバランスを加味すると32GBが最適 拡張性を考えて128GBまで搭載できるPCがおすすめ |
| ストレージ | SSDが必須で高速処理できるM.2SSDがおすすめ |
| グラフィックボード | ビデオメモリ量が多いGeforceRTX40番台シリーズがおすすめ |
また、カテゴリー別に最適なスペックのデバイスを導入できるかが鍵となります。
ソフトウェアを選ぶ際には、統合型ソフトか特化型ソフトを選ぶかの選択が必要です。総合型とは、モデリングやアニメーション、レンダリングといった3DCG制作に必要な機能が統合されたソフトです。代表的なソフトとして、以下があります。
特化型ソフトとは、モデリングやレンダリングといった3DCG制作の特定領域に強みがあるソフトのことです。特化型ソフトとして、以下が挙げられます。
3DCG制作でやりたいことや、作りたい作品が決まっている場合には特化型ソフトを選びましょう。
スカルプトの今後の動向としては、スカルプティングツールは2030年まで順調に成長するとみられています。顕著なCAGRにより、収益と指数関数的な市場成長を遂げる見込みです。
市場が成長する要因として、 3Dスカルプトソフトウェアの需要の増加が考えられます。Blenderに限ってみても、2024年の業界調査によると新規プロジェクトの40%以上がBlenderを使用しています。
これは、年々増加している傾向にあり、特に個人や小規模スタジオでの導入が進んでいる形です。
近年、CGなどのグラフィック技術の向上に伴いCG・ゲーム業界が盛り上がりをみせています。そんな成長し続けているCG・ゲーム業界で働きたいという方も多いのではないでしょうか。CG・ゲーム業界で働きたいのであれば、クリエイティブアカデミーでCG・ゲームについて学ぶのがおすすめです。クリエイティブアカデミーの特徴は以下のとおりです。
クリークアンドリバーの最大の特徴は、圧倒的な就業実績です。過去6年で543名がプロとして就職していて、業界就業率も90%を超えます。就業先にはSEGAやCygamesなどの誰でも知っているような企業もあり、CG・ゲーム業界で働く最短経路を辿ることができます。
11のコースが展開されていて、なりたい未来に合わせてコースを選ぶことができます。密度の高いフィードバックが貰える少人数コース制度をとっていて、業界で活躍するプロフェッショナルから現場レベルで指導してもらえます。
アカデミーの半年間で人生を劇的に変えた方も多いです。ゲーム・CGのプロとなって「自分の人生を変えたい」という方は、ぜひクリエイティブアカデミーから挑戦してみてください。
スカルプトは、まるで粘土をこねるような形で作品を作れる手法です。直感的な操作が可能であり、特に凹凸を表現したい場合におすすめの方法です。タブレットを用いて制作できるツールも増加中で、どこでも気軽に作品作りに没頭できます。
Blenderを用いれば、ツールに費用をかけずに制作できる点も魅力的です。比較的初心者でも制作できるものの、よりクオリティの高い作品を制作する場合はスキルを習得する必要があります。
各種オンライン学習サービスを利用したり、動画コンテンツを視聴したりして、スカルプトのスキルを磨きましょう。