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「モーションデザインを学びたい」と考えていても、現場で活躍している経験豊富なクリエイターから教わると聞くと、自身の経験と比較して参加をためらってしまう方も、いるのではないでしょうか。
そういった方のためにC&R Creative Academy(以下アカデミー)の3Dモーションコースでは、授業のリアルな雰囲気やどんな講師が教えているのかが体験できるミニ講座を開催しています。
プロのモーションデザイナーとして活躍しながら、アカデミーの講師を務める株式会社ナジェーナ代表の佐久間 朋実先生がミニ講義に再登場。
前回のミニ講座▶https://www.cr-ca.com/news-detail/230426-1/
前回のミニ講座も「モーションの付け方や考え方がわかりやすい」という声をいただき大好評!今回はさらにアカデミーに興味を持っていただこうという想いで、3Dモーションコースのミニ講座第2弾を開催しました。
[講師]
株式会社ナジェーナ代表/C&R Creative Academy講師:佐久間 朋実
[司会]
C&R Creative Academy運営:大久保 よし美
講師:佐久間 朋実
経歴:株式会社ナジェーナの代表であり、3DCGキャラクターアニメーション制作に20年以上携わってきたベテランデザイナー。現役のクリエイターでありながら、アカデミーの3Dモーションコースの講師として受講生の育成も行う。
アカデミーの3Dモーションコースを体験できるミニ講座の様子をまとめました。
※ここからは佐久間先生の発言
作業前にキャラクターの重心と基底面を考えることが大切です。モーション制作では「動作は重心から動く」と言われているほど、意識しなければならないポイントです。
重心とは動きのコアとなる部分のこと、コアとなる部分は腰にあたります。
体を支えている両足の間の面を「基底面」と言い、この基底面の部分に重心が収まっていることでバランスが安定します。反対に重心が外に出ている状態だと、不安定でバランスを取ることができません。
戦闘ポーズをとった場合、それぞれの足に体重が50%ずつ均等に支えている状態になっているはずです。
パンチを出すとき重心が前に移動するので、前の足に70%、後ろの足に30%ぐらいになると仮定できますよね。
モーションデザイナーがポーズをつけるとき、普段から重心の位置を考えて作っています。このように、アカデミーの授業ではプロ同様の手順で作業を進めています。
ゲームモーションというのは「待機ポーズから始まり待機ポーズで終わる」という一連の動きです。
今回のキックをさらに力強く見せるためには、力を溜める動作を追加する必要があります。これは「待機予備動作」と言って、一度後ろに引くモーションを意味します。
待機予備動作のコツは、体のひねりや腕を引くポーズを追加することです。キックやパンチを入れる動作の前には、最大限に力を発揮するための動作が必ず入っています。キックで使わない腕でも、何かしら理由があって動いていると考えなければなりません。
「動作に意味のない動きはない」と受講生たちによく伝えています。
修正後
佐久間先生の授業スタイルは、先生自身が席を立って身振り手振りで説明してくれ、とてもアクティブなのが特徴です。
ミニ講座中、解説と編集を同時にこなす佐久間先生の姿に驚いた参加者もいたと思われます。モーション制作が未経験の方であっても編集内容を理解できるように解説しつつ、編集と関係ない話題でも流暢に話す姿には圧倒されます。
先生自身が業界で多くのことを経験し、たくさんの受講生を育成してきたからこそ、体を張って解説される授業スタイルが生まれたのでしょう。その熱心で躍動感ある授業スタイルに、心を動かされる受講生も多いのかもしれません。
「重心」についての解説では、参加者がわかりやすいように「焼き鳥」に例えていました。とてもユニークな表現かつテンポよく解説してくれるため、話の内容が手に取るようにわかります。
また、佐久間先生はミニ講座中、参加者のみなさんにクイズを出題するなど積極的にコミュニケーションをとっていました。アカデミーの授業でもこのような場面があるそうで、みんなで答えたり意見を出し合ったりすることもあるとのこと。
ただ単に授業を聞くスタイルではなく、仲間と一緒に考えて作品のクオリティを上げていくからこそ、和気あいあいと楽しい雰囲気が生まれているのではないでしょうか。
アカデミーを受講するメリットについて、今回のミニ講座を例に挙げつつ、3つのポイントで紹介します。
ミニ講座の最後では、今悩んでいることや聞きたいことなど、何でも佐久間先生に質問できるコーナーを設けました。
例えば、佐久間先生が普段使っているソフトについてや実際の現場で使われているソフトが気になるなどの質問がありました。
佐久間先生は普段Mayaを使われているそうで、業界的にもMayaを使っているゲーム制作会社が多い印象とのことでした。Blenderを使うゲーム制作会社もあるようですが、佐久間先生によると「Blenderはアニメーション機能と互換性がよくないと聞きます」だそうです。このような情報は現場でしか聞けません。アカデミーを受講すると、佐久間先生のような現役のプロクリエイターとしても活躍する講師が在籍しているため、開発・制作現場の最新の情報やノウハウにアクセスしやすくなります。
プロを目指すアカデミーの受講生たちは、様々な問題や課題に日々立ち向かうことになります。プロのクリエイターとして活躍中の講師がついているのは、大変心強いですね。
自分で調べても仲間に聞いても解決できなかった問題が、講師に相談することで解決への道が拓けます。だからこそ、短期間でプロに近づけるのです。
アカデミーの運営会社であるC&R社は、プロフェッショナルのキャリアを支援する「クリエイターエージェンシー」とクリエイティブの制作・開発を行う国内最大規模のスタジオを持っており、アカデミー卒業後の就職支援も手厚くサポートさせていただきます。
卒業後は、業界に精通している担当エージェントがマンツーマンでキャリアプランニング、企業に提出する資料添削などを実施。
過去500名以上を業界に輩出してきた実績から、面接対策も万全です。就活開始から志望企業の内定獲得まで並走します。
また、志望する企業にアカデミー卒業生が勤務しているケースも多く、アカデミーでの活動やエージェントからの情報を通して、就職してからの仕事のイメージを事前に想像できるのもうれしいポイントです。
3Dモーションコースでは、入校1週目からMayaの基礎課題に取り組んでいき、2〜8週目で5つの課題制作をします。そこから卒業までの間は最終課題に取り組み、ポートフォリオをまとめていきます。
個々のレベルに合わせて講師が指導することはもちろん、成長に合わせて現場目線でチェックし、作品のクオリティを上げていきます。
ミニ講座では重心やキャラクターの躍動感の引き出し方についても教えていただきました。
もし仮に、モーションを独学で学び続けたとしたら、モーションをつけるコツやポイント、プロの考え方、現場で必要とされるスキルなどは知ることができないでしょう。
佐久間先生はミニ講座中に「感覚で作品を何となく作るのではなく、明確に動作説明ができる状態にしてから制作を始めていきます。つまり、体が動く理屈を口頭で説明ができるようになると応用が効くからです」と話していました。
このようなアドバイスの背景を知っているだけでも、クリエイターとしてかなり成長します。
それだけでなく、Mayaを操作している講師の作業画面を見ているだけでも、あらゆるヒントが発見できるかもしれません。
気になるテクニックがあれば、気兼ねなく教わることができますし、講師との何気ない会話からも多くのヒントやアイデアが生まれるのではないでしょうか。
3Dモーションコースの第2弾となる、今回のミニ講座では「回し蹴り」を解説していただきました。基礎から最終段階の調整まで、一連の流れを通して学べたのではないでしょうか。参考教材や独学では学べない、プロだからこそ知っているスキルの習得もアカデミーでは可能です。迷っている方は一度、イベントに参加し、アカデミーのリアルな姿を知り、検討材料にしていただけると幸いです。
アカデミーでは授業料完全無料で、就業後に活かせる実践形式の授業を行っております。
気になる方や少しでも興味がある方は、毎週水曜日に説明会を開催しています。こちらからお申し込みは随時受け付けておりますので、ぜひ参加してみてください。
文:小川翔太