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C&R社が運営するC&R Creative Academy(以下、アカデミー)責任者佐藤が、卒業生にインタビューして、本音で語ってもらうシリーズ。
今回は年齢や職種、言語の壁を乗り越えて、日本でゲーム業界に就職した外国人卒業生の事例を紹介します。
ゲーム業界のプロとして活躍している謝(シェ)さんは、プロになるまでかなりの至難を乗り越えてきました。
経歴や年齢、国籍問わず受講料完全無料のアカデミーへ入校し、プロとして活躍しています。
ゲーム業界を目指す人たちへ今だからこそ伝えたい、その熱い思いを語っていただきました。
[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者:佐藤浩平
[インタビュイー]
VFX/ゲームエフェクトコース卒業生:謝さん(2019年9月卒業)
目次
佐藤(C&R Creative Academy責任者)※以下、佐藤:
日本に来てゲーム業界を目指そうと思ったきっかけはなんですか?
謝さん(卒業生)※以下、謝:
最初は日本に住んでみたいという思いで、ワーキングホリデーの観光ビザを使って日本に来ていました。
日本のゲームが好きで、遊びながら日本語を少しずつ覚えていったのです。
日本で就職したいと思い、翻訳とかIT関連のデバッグをするバイトに応募してみました。
しかし、日本語レベルが足りないため、自分では数え切れないほど落ちました。仕方がなく、日本語学校で日本語を学んだのです。
その頃はゲーム業界で働きたいと思っていたので、ゲームプランナーアカデミー *1 への応募もしていましたが、やはり日本語の問題で入校は不可能でした。
その後も、日本語学校の方やキャリアカウンセラーに相談しましたが、いい返事はもらえず…。
カウンセラーからは「ゲーム業界にこだわらなくてもいいんじゃないの?」とも言われ続けていたのです。それでも粘って頑張っていました。
そんな頃、C&R社の佐藤さんが学校に訪れていて、「ゲーム業界の3DCGに興味はありますか?」と声をかけられました。
佐藤:
そうでしたね!私が謝さんの元へ訪れて、エフェクトコースを勧めたんですよね。
謝さんは、馴染みのないエフェクトコースを選択しましたが、実際どうでしたか?
謝:
エフェクトの構成さえも知らない状態だったので不安でした。
私は絵が下手なので、エフェクトに向いていないと思っていたのですが、想像と全く違っていたのです。
佐藤:
実際にエフェクトを勉強して、具体的にどのようなところが想像と違っていましたか?
謝:
エフェクトは、美術や芸術的なセンスがなくてもできることに驚きました。
物理的な計算をしてパラメーターを起こし、数字で動きを調整する「理数系の能力が求められる」のです。
佐藤:
当校は授業料完全無料で行っていますが、外国籍の方からみて「無料」というのに不安はありませんでしたか?
謝:
日本だからという信頼感はありますが、それよりも通っていた日本語学校の歴史や創立が長いため、不信な企業は学校に来ないだろうと思っていました。
そして、アカデミーへ入校して、初日から優しくしてくれる先輩たちとアカデミーの雰囲気から安心できる場所だと確信しました。
佐藤:
謝さんは特に、みんなから可愛がられてましたもんね。当時の写真も残ってますよ!
謝:
そうなんですか!恥ずかしいですね…(笑)
アカデミーは青春って感じで、すごく楽しかったのでいい思い出です。
佐藤:
謝さんの作品は、クオリティーが高く毎回豪華なエフェクトを作っていた記憶があります。
エフェクトを全く知らない状況から入りましたが、学習のポイントってありますか?
謝:
先生方の指導以外にも、参考書を使用していました。そのため、一段と早く技術を習得できたのではないかと思います。
アカデミーでの講習は、エフェクトの基本はもちろん、センスを養うような授業を行ってくれます。
課題に対してのフィードバックももらえるので、あとは参考書も用いて自習をしていました。
佐藤:
なるほど。エフェクトの構成やセンスの学習はアカデミーで、裏では自己学習をしていたのですね。
昔の自分と今の自分を比べて、どこが成長したと感じられますか?
謝:
エフェクトの構成ですね。見栄えやクオリティーは変わらないけれど、構成がシンプルにできるようになったと感じます。
最近、過去の作品を見直す機会があって「なんでそんな構成数になるわけ?」って思いながら振り返っていました。
アカデミーでは1つの作品に3週間かけていましたが、今では同じ作品を1週間で作れます。
佐藤:
1週間ですか!すごいですね。
ゲームのエフェクトに特化した「SkyArts」さんからオファーをもらっていて、卒業後にそのまま就職しましたね。
プロとして働き出して、アカデミーで学んだことは役に立ちましたか??
謝:
そうですね!覚えたスキルを活かしつつ、先輩方からもスキルを教われる環境なのでよかったと思っています。
私はアカデミーで教わった先生の会社に就職したので、最初はレベルに合わせた案件をもらって楽しく制作していました。
佐藤:
順を追って学べて、アカデミーの延長線上ともいえる環境なんですね!
ではアカデミーで作っていた作品と、仕事レベルで求められたことにギャップはありますか?
謝:
はい。ですが、それをしゃべり出すと止まらなくなってしまうので、簡単に(笑)
アカデミーはレギュレーションがなく、作品の見栄えが重要になります。
しかし、仕事となると案件によってレギュレーションが違い、なおかつ構成にも制限があるのです。
「どうやったらルール内でいいエフェクトが作れるか?」と腕前が試されるようになります。
SkyArtsの面接官に言われた「一つひとつのパーティクルの大切さを知ってほしい」という言葉が印象に残っています。
一つの工程を丁寧に作業するようになった今、その言葉の重みが理解できたのです。
佐藤:
案件によってそのレギュレーションも違うんですよね。謝さんは、仕事を楽しんでいるようですね。
謝:
はい。案件を受けるたびに楽しくやっていますね。
あ!でも、今は長期案件に入ってしまって、同じレギュレーションだから、ちょっと飽きちゃった…。
一同:(笑)
佐藤:
アカデミー時代は同期や先輩たちといい関係だったようですが、ライバルとしてみんなの作品をどのように見ていましたか?
謝:
ライバルというよりも、よい刺激を与え合う仲間意識の方が強かったです。
作品のレベルが高いと「自分も頑張らなければ!」と緊張感が増し、それぞれがやる気になっていました。
また、技術を教え合って共に成長するような環境で、何も言わなくてもお互い助け合っていました。
それが、ここまで上達できたわけでもあり、アカデミー最大の利点だと言えます!
佐藤:
では、ライバル意識はなくよい仲間関係であったということなんですね。
謝:
そうです。「いかに前よりもよい作品ができるか」でしたので、ライバルは自分でしたね!
今も同じなのですが、社内のエフェクター案件は自分に任されることが多いので、他の人と比べられず過去の自分と競争していることがあります。
佐藤:
ちなみに、謝さんの前職はなんですか?
謝:
私が台湾で働いていた頃の職業は、牧場農家でした。
佐藤:
え!牧場からゲームデザイナーに!?しかも年齢も私と同い年の1988年生まれでしたよね?
謝:
私がアカデミーへ入校したのは29歳でした。それでもこうやってゲーム業界の仕事に就いています。
ですから、アカデミーに入れば誰でもゲーム業界のプロとして活躍ができる!ということです。
佐藤:
謝さんのように、海外の方で前職は全く違う業界で働いていて、日本語も上手くしゃべれない状態での挑戦はすごく稀なケースだと思います。ぜひ、同じ境遇の方へエールを贈ってください!
謝:
「やりたいことがあるのなら、やってみよう!」ですが、やるからには最後までやり切る必要があります。
中途半端な気持ちで挑戦してほしくはないですけど、臆病になり過ぎてもいけません。
基礎知識を習得して経験を積んだうえで、自分に合っていないと感じるのならば、辞めても構わないと思います。
佐藤:
ゲーム業界に入るまで、真摯に制作に向き合い本気でやる覚悟が必要。
ですが、そこまで身構えず、気になっているなら一歩踏み出してほしいということですね。
未来のクリエイターへのエールをありがとうございました!
クリエイティブアカデミーは、経歴や年齢、国籍は関係なく、ゲーム業界を本気で目指している人たちを応援しています。
インタビューに応えてくれた謝さんのように、挑戦することを諦めずに続けた結果、クリエイティブアカデミーという運命の出会いを果たしました。
仲間と切磋琢磨し歩み成長することができ、謝さんのようになりたい自分になるチャンスがアカデミーにはあります。
少しでもクリエイティブアカデミーに興味がある方は、毎週説明会を実施しておりますので、
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文:小川翔太