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クリーク・アンド・リバー社(C&R社)が運営するC&R Creative Academy(以下、アカデミー)責任者佐藤が、卒業生にインタビューして、本音で語ってもらうシリーズ。
今回は、破天荒でドラマチックな経験をした卒業生のお話を紹介します。
彼女の作品に対する情熱と、アカデミー生活では必死過ぎて生活のルーティンをすっぽかしてしまうほどの熱意を語っていただきました。
[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者:佐藤浩平、
C&R Creative Academy運営:大久保よし美
[インタビュイー]
3DCGキャラクターモデルコース卒業生:富永さん (2022年9月卒業)
目次
佐藤(C&R Creative Academy責任者)※以下、佐藤:
キャラクターに携わる仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?
富永さん(卒業生)※以下、富永:
絵やキャラクターを描くのが昔から好きで、漠然とですが高校生からゲームのキャラクターに携わる仕事をしたかったんです。
ですが、正直なところ絵がクラスで1番下手だったんです(笑)
高校卒業して美大とか芸大に行けばプロの業界に入れることは知っていたんですが、
美大は『クラスで1番絵が上手な子が入るところ』みたいな雰囲気があったんです。
体験授業に行ったりもしたんですが、才能的にも「あ!ダメだこれ…」なんて諦めてしまいました。
大久保(C&R Creative Academy運営)※以下、大久保:
外国で5年ほど学ばれていたんですよね?
富永:
そうです。高校を卒業して、アメリカのカリフォルニア州の大学に5年間留学していました。
将来どうするか迷っていたところ、家族に「海外の大学はすぐに専攻を決めなくていいから行ってみたら?」と言われ留学したのです。
やりたいことを見つけるために短大に3年間行き、広くデザインが学べる4年制の大学へ編入しました。
佐藤:
ちなみに、前職は何をされていましたか?
富永:
帰国して英語塾で受付や進路カウンセラーのアシスタントをしたのち、直近で派遣でDTPデザイナー(DTPソフトを用いて雑誌やチラシ広告、ポスターなど読みやすいように画像処理を行う仕事)とオペレーターを3か月していました。
佐藤:
デザイナーを3ヶ月しか勤めなかったのはなぜですか?
富永:
本当は長く勤めて、30歳手前でゲーム業界に携わるという人生設計だったんです。
DTPデザイナーになってすぐ、ゲーム業界に有利になると思いデッサン教室に通い始めました。
しかし、突然「今週一杯で終了です」って仕事の契約をバッサリ切られてしまいました。
その後、何件か同じ派遣でDTPデザインの面接を受けていたんですが、「このままズルズルやるよりも、このタイミングで専門学校で勉強するべきだ」と思い、通っていたデッサン教室の先生に相談したらアカデミーを教えてくれたんです。
佐藤:
アカデミーはデザインの先生方にも知ってもらえているんですね!
アメリカから帰国後はDTPデザイナーとして勤めつつ、ゆっくりゲーム業界に行く準備をしようと思っていたら、急転直下で派遣切りにあったと。ストーリーが盛り沢山ですね!
富永:
そうです!当時打ち切られたときは、泣きながら帰りましたもん(笑)
佐藤:
デッサン教室の先生からおすすめを聞いてからの行動は早かったですね。
富永:
「もう人生かかっているんだから、やるしかねーだろ!」という思いでした。
佐藤:
そういう状況に追い込まれていた感じもありますね。いくつか専門校がある中で、アカデミーを選ぶ決め手となった理由を教えてください。
富永:
アカデミーを知る前に、合格して入学金を支払っていた他の学校が2校あったんです。
佐藤、大久保:
えっ!!えっ!?
富永:
断ってまでしてアカデミーを選んだ理由は、学校のカリキュラムに「エンジョイスクールライフ」「バイトもできる」と書いてあり、もう一方は、週1回の2〜3時間で半年のコースでした。
もちろん、その2校ともすごい会社に就職した卒業生もいましたが、私にはそんな時間の余裕がなかったので、「入学金も返してください!」って全て断りました。
その反面、アカデミーは半年で「バイトができるなんて思わないでください!」って書いてあり、大変そうだけど圧倒的に作品のクオリティが高いし、本気度の違いが感じられましたね。
佐藤:
たしかに、そんなようなことを書いた覚えがあるな〜(笑)
佐藤:
驚き過ぎて、今のところドラマしかありませんね(笑)
入校前から「(アカデミーは)大変そう」だと思っていたと言っていましたが、入校前と入校後のイメージはどのように変わりましたか?
富永:
入校前から大変なんだろうなぁ〜と思ってはいたのですが、本当にかなり大変でした!
もう、3日間お風呂に入らないこと、寝ないこともありましたね!
佐藤:
これは、このインタビュー記事のタイトルが決まりましたね(笑)具体的にはどんなところが大変でしたか?
富永:
3DCGはただの立体だと思っていたのですが、そうではないのだと感じたところですね。3DCGのモデリング自体が初めてでしたから。
初めての等身大のキャラクターを作ったときは、立っている人1体作るだけで精一杯だったのに…
「これに今からフードと髪の毛をつけていくんですか!!」って思いました。
佐藤:
なるほどね。人間の「形」を作るのが大変だったのか、「テクスチャ」を作るのに苦労したのか、どんなところに苦労しました?
富永:
というよりも、『動かすことが前提』ということをその時はまだ理解できていなかったんだと思います。3DCGのモデリングって彫刻ではないじゃないですか。
なので、ゲームとしての容量制限だったり、ポリゴンの数や割り方などをちゃんと理解していなければならなかったので、「ああ、やっぱりただの立体とは違うなぁ…」と感じていましたね。
佐藤:
お風呂に入れないことやおそらく寝れないことも実際にあったと思うのですが、それはどこから来るプレッシャーだったんですか?
スケジュールや周りの人と比較しての焦りだったのか、それとも就職への不安から来る焦りが要因だったのでしょうか?
富永:
私の進行具合が遅くてスケジュールが押していたこともあったのですが、
1番の要因は「自分ならもっとできるだろ!」「こんなもんじゃないだろ!」っていう自分への不甲斐なさが常にあったことから来ていたと思います。
佐藤:
すごい熱意を持って取り組まれてたんですね!
佐藤:
「あと3~4ヶ月で就職するんだ…」ってなったとき、焦りや不安感とは戦ってきましたか?それとも目の前のことに集中できてましたか?
富永:
私はどこに勤めたいっていうよりも、目の前のことで精一杯でした。「とにかくいい物を作ろう!」と思っていましたね。
佐藤:
そこがすごくクリエイターっぽいですよね!そんな中で、担任の先生との関わりはどうでしたか?
富永:
最初のころは、先生の印象が元気のない人と思われていたようで、「寝てる〜?」とか注意されてました。
特に印象に残っているのがフィードバックを受けているときです。私は声が低く、素の状態だったので、元気がないように思われていたのでしょうね。
他の受講生に「先生からよく注意されるんだよね〜。どうしたら先生と仲良くなれるかな?」って相談したりしたんです。
そしたら「私は雰囲気作りにいってるよ!」ってアドバイスをもらったんです。そこから明るくして喋るようにしたら先生と仲良くなれました。
課題の進みが遅い時に、松浦先生のDiscord部屋に潜り込んで、「先生!私、懺悔しに来ました!」と言いに行ったこともあり、意識的にコミュニケーションの回数も増やすようにしていました。
その内に、フィードバックの数が増えるようになって、1時間半を超えることもありました。
相談する側の雰囲気や印象も大切だと知る機会にもなりましたね。
佐藤:
なるほど。最初は緊張して距離があったけど、自分から潜り込んで話すようになったら、関係を築けてたってことですね!
松浦先生(3DCGキャラクターモデルコース講師)はね、愛が深いんですよね!!では、同期との関係はどうでしたか?
富永:
同期9人とも日頃から全体のボイスチャットでコミュニケーションをとっていたので話しやすかったですね。同期だけでなく、先輩たちにも相談してました。
Twitterでも「わからな〜い」ってつぶやいたら、先輩や同期、後輩までもがリプで返してくれましたし、「今度通話で教えますね!」なんてこともありましたね!
佐藤:
教えてくれる環境っていいですね!逆に富永さんが教えてあげるってこともあったんですか?
富永:
後輩の方が、私より詳しい人が多かったんですよね(笑)
先輩にも私と同じ未経験からアカデミーに飛び込んだ方がいました。その方に「不安なんです〜」って相談したら「大丈夫だよ」と返してもらえたのです。
私にも後輩ができて、その後輩が「不安なんです〜」って私と同じことを言うもんですから、私が言ってもらえたのと同じように「大丈夫だよ!私こんなんだけど、それでもできてるから!!」って声をかけたことがありましたね。
佐藤:
いいバトンが繋がっていますね!
大久保:
富永さんと定期的に面談させていただいていましたが、フェティシズムにかける情熱が印象的でした!
キャラクター愛に溢れていて、作品の参考にするフィギュアなどを購入されるところだとか。
富永:
はい、資料にはかなり投資してました。最終課題では、プレミア価格がついた4万円の画集を購入したんです。
「いいもの作るためだから!!」と勢いで購入していましたね。
佐藤:
クリエイターにそういう方って結構いるんですよね。そういう人って伸びるんですよ!!頑張ってくださいね! ちなみに何フェチですか?
富永:
筋肉質の男性が好きなんですよ…(照)
大久保:
たしかに、筋肉好きなのがポートフォリオにも表れていますね(笑)
佐藤:
アカデミーの課題4体目の制作では、納得のいく作品が作れるようになっていましたか?
富永:
3体目になると、こんな感じなのかな?と不安を抱きながら作っていました。
4体目になると、自分の期待値がかかり過ぎてしまって、「先生!私の筋肉に対する思いはこんなもんじゃないんです!!」って言ってましたね。
佐藤:
富永さんの探究心というのか、原動力がそこにあったと感じますね。
アカデミー受講中は作品に夢中になれる環境で、卒業前は就活について考えたと思います。C&R社のエージェントのサポートはどうでしたか?
富永:
担当のエージェントさんは手厚くサポートしてくれましたし、連絡も早かったのでよかったです。
私は、就職したい会社を決めていませんでした。エージェントさんが応募してくれる企業さんって決まっていると思っていたんです。
ですが、アカデミー生ひとりひとりの希望やスキルレベルに合わせて選定していることがわかりました。
私のポートフォリオを見て、格闘ゲームの会社に応募してくれていました。
その企業には残念ながら通りませんでしたが、受講生の特徴や嗜好を見て応募企業を選定してくれていたので、すごく嬉しかったです。
佐藤:
担当エージェントさんには「できれば筋肉を作れるところで!」とかって申し出ていたりしたんですか?
富永:
いいえ、言ってません。「(やりたいことが)広くできるところがいいです」というフワッとした感じでしか伝えていませんでした。1社だけ気になるところを伝えていた程度です。
佐藤:
普段のやり取りやポートフォリオを見て、上手く汲み取ってくれて応募してくれてたんですね。その他のサポートはいかがでしたか?
富永:
就職サポートは、面接前のアドバイスや練習も行ってくれました。
1次面接も2次面接も練習してもらい、面接前にチャットで内容の添削までしてくれたので、本当にありがたかったですね!もう、至れり尽くせりでした。
佐藤:
高校で1番絵が下手だった富永さんですが、ゲーム業界への扉を開くことができたことを振り返ってみて、感慨深いものはありますか?
富永:
正社員になれると思ってもいなかったので、それも含めて今でも「夢なのかな?」って思えますね。
ある日1枚葉っぱが舞い落ちてきて、「今まで化かされていて夢でした!」なんていう夢オチに思えるような感覚です。
佐藤:
富永さんのように、「就職してから30歳くらいでゲーム業界に携われる仕事に就職できればな…」「絵が下手だしな…」と二の足を踏んでいる方も結構いるんです。
富永さんは30歳より早くして、ゲーム業界へ入れるという証明ができました。目の前にそういった方がいたとしたら、どんなアドバイスをしますか?
富永:
私は「絶対無理だ〜」という人生の積み重ねをしてきたので、二の足を踏まれる方の気持ちがすごくよくわかります。
ですが、「キャラ好きならとりあえずやってみて!やってみなきゃわからないから!」とアドバイスします。
作った作品を応募して企業に送って落ちたとします。それでも、作品の欠点が知れると思うんですよね。そこを改善して、また応募してみてを繰り返せばいいんです。
私は、「できなかったらどうしよう」と常に不安でした。ですが、頑張れたし楽しかったし、最終的にプロの業界に入れました。協力してくれるみんながいた環境だったので、切磋琢磨できたと思います。
佐藤:
ありがとうございました。スタートラインに立ったばかりですが、その根性でたくさん経験を積んで頑張ってください!
高校生の時、クラスで一番絵が下手で、クリエイターになる夢を半ば諦めていた富永さん。
そんな彼女はアカデミーに思い切って飛び込み、未経験からのスタートで不安を抱えながらも、努力で夢への扉を開くことができました。
アカデミーでは授業料完全無料で、就業後に活かせる実践形式の授業を行っております。
気になる方や少しでも興味がある方は、 こちらから随時説明会を開催しておりますので、ぜひ参加してみてください。
文:小川翔太
画像キャプション:アカデミー運営